落とし穴
格安リフォーム会社、所謂、薄利多売会社に勤務していた経験から学んだことがあります。
格安リフォームには一見お得に思えるメリットがありますが、経営継続困難と言える(利益率25%以下の)低い単価を補う必要がある為、落とし穴がいくつか存在します。以下にその代表的な例を挙げますが、基本的にはリフォーム全般に通じます。
1. 品質の低い材料の使用
• 同じ材料名でも組成や品質にはかなりの差があります。名目上は高耐久を述べてはいても、実質的には耐久性の低い組成になっている場合もありますが、見た目では分かりません。
見分け方: JIS規格は必須ですが、規格試験に明示されている内容の専門的解析、知識や経験が求められます。
2. 現場での問題
• 低い単価を補うには時短施工が求められますが、それには様々なリスクがあります。例えば、適正温度管理や乾燥時間、材料撹拌不十分などによって、早い劣化が生じることがあります。
見分け方: 施工管理、材料管理などをどれ程厳しくしているか、管理責任者のクオリティにかかっています。
3. 適切な下地処理の省略
• リフォームでは見えない部分の処理が重要ですが、格安の場合この工程がいろいろな方法で省略されることがあり、素人には殆ど見分け方がつきません。
• 下地処理が不十分だと、様々な不具合が発生しやすくなります。
4. アフターサポートの欠如
• 格安リフォーム業者の中には、保証があっても対応が不十分になる場合があります。薄利多売はやがて経営が困難になり、短期解散しては別名で再建する場合も多くあり、結果として保証はないのと同じことになります。
対策: 感じの良い営業マンの口述でなく、その会社の歴史や実績、施工現場の経年変化などの確認も役立ちます。
5.法令違反の可能性
• 一部の格安業者では、建築基準法や安全基準を無視して施工するケースもあります。
• 最悪の場合、リフォーム後に法的トラブルに発展する可能性があります。
このように、格安リフォームは一時的なコスト削減にはなりますが、長期的な建物の「資産価値」を考えると必ずしもお得ではない場合が多いのです。